最終回 BBUプロジェクトの軌跡
(20100331@自宅)
どうも、カヤックの浦上です。
あの、YUREXがまさかの完売です。
ばかばかしいことを本気でやる!、やりきる!を表現コンセプトとした、
BBUプロジェクトが今日、終了しようとしています。
着想から完売まで足がけ2年3ヶ月・・・、
BBUプロジェクトを応援してくださったみなさま、YUREXを買ってくれたみなさま、
ほんとにありがとうございました。
YUREXが完売するようなステキな日本がもっと好きになりました。
1.12,600円の壁
4月の発売以降はYUREX開発担当から、販促&営業担当に転身。
YUREXのために西へ東へ奔走しました。
TOKYO CULTURE CULTUREのイベント、マイクロソフト主催のイベントReMIX2009、ドークポット、ジェット☆ダイスケさん企画のグラビアアイドル安部さゆり&YUREXのプロモーション番組にも出演させていただいたり、またテレビや雑誌の取材も多数・・・。
また、東急ハンズや八重洲ブックセンターに商品をおいていただいたりもしました。
それでも、・・・1個たりとも売れない、
会社の寮の一室を占拠しての大量在庫、在庫の山。
ホント、具合悪いおなか痛い、そんな日々が続いていた。。。
2.値下げの検討会議
Q:なぜこんなに売れないのか?、どうして大量在庫なのか?
A:難しすぎるし、ナゾすぎるし、高すぎるから。
わかっている、原因は。
ただ、難解さもミステリアスも商品特性だからどうにもならない、
だから考えた末に、出たのは明快な答え。
値下げするしかない。
在庫を抱えていてもしょうがないし、なによりも作ったからには世に出したい。
そんな思いがあったからだ。
でも、いくらなら買うんだろう・・・、
8000円とかじゃ何の意味もなさそうだよなー。
半額の6000円でも買わないよなー。
5000円以下じゃないとな・・・、4800円とか?
うーん、私だったら買わないなぁ。
3000円!?
東急ハンズさんに相談したときには、
この手のコミュニケーショングッズは1回の飲み代分くらいが相場だから、
3000円が妥当という話をされたコトを思い出した。
どう設定しても原価割れの大赤字なんだから、せめて話題性を取らないとなぁ、
プレスリリースとか打ちたいよなぁ。
2980円ってところかな?
でも、これも普通に妥当なだけで、
決定打に欠けるというかインパクトに欠けるというか、普通だなぁ。
等といろいろ考えながら秋の終わりを迎えた。
そして、年末商戦も近づいてきたとある11月の社内会議で、
とうとうYUREXの値下げについて口火を切った。
私はYUREXの順番になるといつもちょっと緊張してドキドキするのだが、
今日はもはや動悸息切れの世界。
「YUREXは値下げを検討しています、
が、いくらなら売れるのかが皆目見当がつきません。なぜならYUREXは用途のない
不要品で誰も必要ないからです。今までの経緯をご存知でしょうが不景気にはとても厳しい商材です」(浦上)
と、いきなり核心に切り込んだ。
開発から担当しているから知っている事実を言ってしまった。
そう、YUREXは企画段階からターゲットが明確にない商品、
おもしろいから作っただけ、作りたいから作っただけという
きわめてアーティスティックな商品。
「・・・」(会議にメンバー)
「たぶん3000円以下にしないと売れないです、3000円以下にしても売れないかもしれないです。
買う人のイメージもつかないし、どうしようか悩んでいます。」(浦上)
私の商品のセレクトから販売までをフリーでやっている販売のプロの友人曰く、
YUREXはおもしろくないおもちゃ、ぼく要らない、とのこと。
「1980円、否、うーんじゃぁ、980円にしてみるか!?
そこまで下げれば話題性もあるし、
プレスリリースもぴしっと打って、とりあえずそれでいこう!」(柳澤)
っということで、大赤字に対して腹をくくり、980円で販売することが決まった。
これならおもしろいから買うかも。
要らなくても乗っかって買うかも。イイ価格設定だ!!
3.まさかの92パーセントOFF、980円キャンペーン
キャンペーン企画を考えた。
・ページの表現においては事実(売れないから値下げ)をしれっと伝え、シュールさアップ
・クリスマスキャンペーンっぽい、楽しさを追加。その際シュールな世界観を崩す表現は避ける。
・販売は、自社サイトでは行わない(負荷が高いから)。amazonと週アスストアの2店のみで販売。
これらのことを考えて、やっとキャンペーンを告げるための
ランディングページのリリースできたのが、12/15、早朝に近い深夜。
とてもよいページが出来た、ふむふむと自画自賛して、帰宅し、床についた。
翌日、朝10時に出社して、twitterをチェックすると
YUREXの品切れに関する書き込みが複数あった。
おっと、バズってる。。。
amazonにあった50個はすでに完売していた。
はっ、はやい・・・。
この原因を探っていくと、
そう夜に明和電機の土佐社長がご本人のブログ、社長ブログにこのキャンペーンとYUREX開発のエピソードを書いてくれていたのだ。
その効果は絶大だった。
amazonは商品を倉庫に事前納品しないと販売できないが、週アスストアは販売・受注について後納品して販売する。
だから週アスストアなら販売できる。
ということで、ページ内の「コレを買う」ボタンのリンク先をamazonから週アスストアに切り替えた。
そして、週アスストアの担当の上野さんと連携しながら、15,16,17の3日間で実に800個ものYUREXを売った。
3.YUREXアプリの改造
ReMIXのイベント参加の流れから、懇意にさせていただいているマイクロソフトの方から、ASCIIで連載したらどうか?というお誘いがきた。
そうやって、
YUREXのデバイスコントローラーなどの開発担当本間が連載を担当し、YUREXの改造記事が連載された。
改造されるYUREX。
ビンボーゆすりのカウンターではなく、震感センサーとしての使い方の提案。
自分たちで作ったコンセプトを無視した展開。
ホントなんでもありだな、YUREXは・・・。
たたき売りの次は改造・・・、ホントひどい。。。
4.快挙!メディア芸術祭審査員会推薦作品に選ばれたYUREX
そんなシュールなYUREXはメディア芸術祭のエンターテインメント部門の審査員会推薦作品をいただくことができました。
ドラクエやラブプラスといった超話題作とともに展示されるYUREX。
ディスプレイパネルの展示メインの空間にまさかのマネキンによる展示。
超シュール。。。
そのシュールさはGIGAZINEの記事でも紹介された。
5.完売御礼!BBUプロジェクト終了
そうこうしているうちに、3月初旬とうとうYUREXが完売した。
BBUプロジェクトの終了の作業をしている。
92%値下げキャンペーンを企画した段階から、
完売してもしなくてもBBUプロジェクトは3月末で終わる予定にしていたのだ。
完売しなかったら、なんかどかーんとイベントでもやってとにかくはけさせる!
と考えていたのだが、うれしいことに普通に売り切れた。
あとは、トップユスリートカードを作って、配送すればホントに完了。
BBUプロジェクトのプロジェクトリーダーでもあるとともに、
ひとり事務局長でもある私が手書きでトップゆるリート立ちへ送るカードを作った。
字が下手すぎて、全くありがたみが内規もするけれど、そこはお愛嬌と言うことで許してください。
ホント、1枚1枚手書きしたんです。 ><
お詫びのレターを折る、トップユスリートカードにユスリートの名前を書く、宛名シートを封筒に貼り付けて、それらを封筒に入れて閉じる。
淡々とその作業をしていると、
ホントにコレでおしまいだなぁ、
うれしいのとちょっぴりオセンチなきぶんが半々のなんともこそばゆい気持ちがこみ上げてくる。
楽しさも大変さモノ突き抜けていたBBUプロジェクト。
心身を削り、魂を切り売りするくらいにのめり込んだ狂気のプロジェクト。
だから、私はホントにYUREXで燃え尽きてしまった。
でも、やっぱり楽しさの方が大きかったとおもう。
私はYUREXをつくるためにカヤックに来たんだとおもう。
もう、何も感じない。
これで私もこれでBBUプロジェクトを、カヤックを卒業することが出来る。
さよならYUREX、YUREXよ永遠なれ。楽しい思い出をありがとう!!
また、どこかでおあいしましょう!!
最後までYUREXを応援してくれて、読んでくれて、ありがとう!!5年後に伝説のガジェットになっていることを祈ってます。w
2010年3月31日 浦上幸江








